海上保安庁の活動範囲(急患搬送)は原則として海上に限られている。 しかし、多数の航空機・船舶を所有し24時間体制である救助機関であることから、遠距離または離島について海上保安庁法第2条及び第5条第16号に基づき、都道府県知事からの協力要請を受けてヘリ・固定翼機・巡視船による急患搬送が行われている。急患搬送に当たっては、航空基地や公共ヘリポートで救急車に引き継がれる。
八重山諸島では、石垣航空基地所属機による急患搬送が、沖縄県との協定により海上保安庁に任されており、八重山諸島の救急体制の一翼を担っている。北海道の釧路航空基地や函館航空基地では、海上保安庁のヘリのみが拠点を構えているため、奥尻島の急患搬送(函館)以外にも、要請に基づいて釧路市・函館市内の拠点病院からより医療体制が整っている札幌市内の病院まで、海上保安庁機で重症患者を病院間搬送する場合がある(陸上輸送するには遠すぎるため。丘珠空港で救急車に引き継ぎ)。新潟県中越地震などの大災害でも、陸上の急患搬送を行うことがある。一部の航空基地では、救急救命士の資格を持つ隊員が任務に当たっている。
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また、航行船舶乗組員の救急医療として、1985年(昭和60年)から社団法人日本水難救済会による「洋上救急制度」が開始された。 「洋上救急」とは急患発生時に、無線または衛星電話により衛生管理者が医師の指示を仰ぐ「医療指示」及び、海上保安庁が指定した医師を速やかに患者の下へ派遣し、巡視船内の医務室やヘリ機内で医師による治療をしながら陸上の病院まで搬送する制度である。このシステムがあるのは日本だけである。 遠方海域で発生した急患を本土まで速やに搬送するため、現場から本土までの間にヘリコプター搭載型巡視船またはヘリ甲板付き巡視船をヘリコプターの航続距離に合わせ配置し給油を繰り返しながら搬送する「飛び石搬送」を行う場合もある。