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女王により統治されるが

ヴァルデマール
はるか東方の帝国から避難した人々により建国された。国名は避難民の代表であったヴァルデマール男爵から。君主ないし女王により統治されるが、統治者は<使者>に限られ、<使者>は<共に歩むもの>により選ばれる。これは統治者が堕落するのを防ぐ意味合いがある。
<魔法使者>ヴァニエルの遺した魔法により、<使者>以外が魔法を使用することが難しく、時を経るにしたがい<魔法使者>が絶えたこともあり、ヴァルデマール国内での“魔法”の存在は伝説にまで貶められた。しかし、隣国ハードーンの脅威と、ティレドゥラスのもとで修行し、新たに<魔法使者>となった王女エルスペスの帰還が契機となり、ヴァニエルの遺した魔法は解除された。
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カース
ヴァルデマールの南東に位置する、太陽神ヴカンディスをあがめる神権国家。<太陽神の子>によって支配されている。<太陽神の子>は男性だったが、宗教改革が起こり、『伝説の森』時点ではソラリスという女性になっている。
レスウェラン
ヴァルデマールの南に位置する国。君主の選択に<歌う剣>という魔法の剣を使用していたが、盗み出され、長いこと行方不明のままだった。しかし『裁きの門』でケスリーが偶然発見し、ステファンセンを王として認めた。王家の者は名前に特徴があり、時に小話の種になる。
ハードーン
ヴァルデマールの東に位置する国。王であるアンカーが“血の魔法使い”であるため国土は荒廃状態にある。長期間にわたりヴァルデマールと戦争状態だったが、『伝説の森』においてエルスペスらの策略によりアンカーは死亡。混乱状態に陥ったところに東の帝国が攻め込んできた。
ドゥリシャ平原
レスウェランの南の国、ジュカサの南西に広がる、ほぼ完全な円形の平原。ドゥリシャとは「犠牲」を意味する。平原にはシン=エイ=インが遊牧しており、身内以外はほとんど寄せ付けない。名前の由来、ほぼ完全な円形である理由、シン=エイ=インとティレドゥラスの関係の多くが、『宿命の囁き』で語られる。

主な職業
使者
<使者>はヴァルデマールの執行官、外交官、裁判官、伝令吏、密偵、あるいはそれ以上のものである。彼らは職務上の道徳心、忠誠心に優れ、時には国のために死地に赴くこともためらわない。制服の色は白。ケロウィンはこの制服のことを「“さあ、わたしを射て”といわんばかり」と形容した(『運命の剣』)。
身分の上下に関わりなく<共に歩むもの>に選ばれることが、<使者>になる第一歩である。選ばれるものはたいてい十代前半だが、まれに二十歳近くで選ばれることもある。選ばれた候補は<使者学院>で教育を受ける。教育は多岐にわたり、基本的な教養、宮廷儀礼、そして戦闘訓練も含まれる。教育機関中の制服は灰色で、教育が終了すると白衣を受け取り、指導員と共に研修の巡回に赴くこととなる。
<使者>のなかでも特別なものとして<女王補佐>(あるいは<君主補佐>)と呼ばれる者がいる。その<共に歩むもの>は常に<出現の原>から現れ、必ず前任者を選ぶ。前任者が死亡しているときは自ら新たな<補佐>となるべき候補を選びに旅に出る。<女王補佐>は女王の対等な助言者であり、その意味ではヴァルデマールの統治者は、<使者>であることと<補佐>がいることにより、二重に堕落を防いでいるといえる。
魔法使い
魔法使いは魔法を行使するものの総称である。心理魔法は多くの場合含まれない。力の弱いものは“まじない士”と呼ばれることもある。
魔法使いには多くの流派があり、教え方や習得する魔法もさまざまだが、魔法使いとしての階級は一致している。<見習い><修行者><師範><達人>がそれである。魔法で触れたように、天恵により達することのできる境地は限界があるものの、すべての魔法使いは<見習い>となって基礎の修行を行なうが、そこから先は流派により異なる。ケスリーの属する<白き風>では、各段階で自らを試すことを自分自身以外に強制されることはないし、何度でも試みることができる。しかし本人がその段階に達していない場合は、各段階を試すための呪文は何の効果も表さない。
特殊なのが“血の魔法使い”で、彼らがより高みを目指そうとするなら、師匠に“挑戦”し、少なくとも引き分けなければならない。敗北した場合どうなるかは、“血の魔法使い”の力の源が何であるかを考えれば、自ずと知れることである。
治療者
治療者は怪我人の治療に当たるもののことである。基本的に“癒し”や“心の癒し”(あるいは双方)の天恵を持つものが訓練を受けて治療者となる。“共感”の天恵を持つものもいるが、その数は少なく、強力とはいえないものが多い。
治療者と魔法使いは天恵のベクトルが違うだけの別側面とも言える。そのため魔法使いの中には“癒しの流派”と呼ばれる流派も存在する。階級にもそれは表れており、魔法使いと同様<見習い><修行者><師範><達人>といった階級があるが、<達人>治療者は極めて少ない。
ヴァルデマールでは治療者の制服の色は緑。
吟遊詩人
吟遊詩人は歌曲を創作し提供するもののことである。世界的に共通の職業であるが、ヴァルデマールでは<詩人学院>で教育を受けたもののみが名乗ることができる。ヴァルデマールでの制服の色は緋色。
吟遊詩人には特権があり、その土地の法に触れない限り、歌曲により聴衆や特定の誰かを不快にさせたとしても、決して罰せられることはない(『裁きの門』で、タルマが吟遊詩人レスラックのことを「吟遊詩人の特権なんてものがなかったら五回は殺してやったのに」と罵る場面がある)。
傭兵
傭兵とは報酬で戦を行なうもののことである。傭兵組合が存在し、これに登録しなければ傭兵として生活することはできない(厳密には登録しなくても傭兵として名乗りを上げることは可能であるが、信用されない)。
組合に登録した傭兵は自由契約の傭兵という立場になる。これは単に傭兵として一本立ちしたという意味しか持たず、仕事を探すことから報酬の取立てまで、すべて自分で行なう必要がある。
登録料とは別に組合に保証金を預けると、保証契約つきの傭兵という立場になる。組合の掟に縛られるが、掟が破られたときは、損害は保証金によってまかなわれ、掟を破った側(傭兵側、雇用者側問わず)への取立てと罰則の適用は組合が行なう。
これらのことは傭兵個人のみならず傭兵隊にも同じことが言える。また、傭兵隊とそこに所属する傭兵との間で何らかのいさかいが起きた際の裁定も、組合が行なう。

シン=エイ=イン
シン=エイ=インはドゥリシャ平原の遊牧民。一般的には金色の肌、黒髪、青い瞳をしている。総じて剽悍な戦士であり、優れた騎手である。馬の交配で有名で、その血統の馬は高額で取引されるが、純血種はシン=エイ=インに何らかのつてがないと、まず入手不可能である。普通シン=エイ=インは魔法を一切使わない。<祈祷師>、<治療者>は数少ない例外である。これは女神との誓約の一部である。彼らの中に天恵を持つものが産まれると、<祈祷師>となるか、ティレドゥラスに預けられるか、又はその天恵を封じられなければならない。

シン=エイ=インの馬
シン=エイ=インが彼らの馬のことをなんと呼んでいるかを知れば、その愛情といかに大切にしているかの一端が窺い知れる。ジェル=スーソウ=エイドゥリン(いつまでも年下の兄弟姉妹)と呼ぶのだ。なかでも“種馬”や“戦馬(いくさうま)”と呼ばれる種は特別で、シン=エイ=インが手放すことは絶対にない(ヴァルデマール、アシュケヴロンの馬には祖先に“戦馬”の血統が入っているという伝説があるが、真偽不明である。『フォルスト・リーチの春』でタルマは一蹴したものの、最後の<魔法使者>ヴァニエルがアシュケヴロンの出身であったこと、ティレドゥラスの<翼の兄弟>であったことと考え合わせると、完全否定することは難しい)。“戦馬”について、<使者>エルダンは「戦のために乗る馬を骨格から作るとしたら、あれこそぼくが作るものだ」と評した。

カル=エネイドゥラル
シン=エイ=インのうち、女神の南の側面である<猛きもの>に誓いを立てたものを特にカル=エネイドゥラルと呼ぶ。一般的には<誓いを立てし者>と呼ばれる。カル=エネイドゥラルは女神の武器であり、その武器のように性欲から切り離され、子孫を残す能力が失われる。そして女神の武器であることから、彼もしくは彼女はまず女神に仕え、次にシン=エイ=イン全体に仕える。自分の部族はその次になる。<猛きもの>への誓いはしばしば<血の復讐>のためになされるが、シン=エイ=イン同士に<血の復讐>は許されていない。シン=エイ=インは華やかな色合いを好むが、カル=エネイドゥラルとなったものは、誓いを果たすまでは黒一色、誓いを果たしたあとは焦げ茶色と定められている。

カル=エネイドゥラルの中でも、<猛きもの>と同時に<古きもの>に誓いを立てたものは特別である。彼らは濃紺の装束をまとい、カタ=シン=エイ=インに残る古い英知を守るためにのみ剣を振るう。

ティレドゥラス
シン=エイ=インからはタレ=エイドゥラス(鷹の兄弟)と呼ばれる。<絆の鳥>を友とし、その多くが魔法使いである。彼らは女神に、ペラジールの森の歪んだ魔法を浄化することを誓約しており、浄化がすむと一族ごと移動してしまう。そのためシン=エイ=インからも謎多き存在と思われている。

絆の鳥
品種改良によりティレドゥラスと魂の絆を結ぶことができるようになった鳥類。その多くは猛禽類である。“心話”で話すことができるが、たいていは鳥類相応の会話しかできない。魂の絆で結ばれているゆえ、<絆の友>と感覚を共有したり、魂を完全に一体化してしまうことができる。ただし、後者は危険なためめったに行なわれない。

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2009年01月18日 07:35に投稿されたエントリーのページです。

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